日本の伝統的な文化や習慣の中には、現代社会で「くだらない」と感じられるものが少なくありません。
その一例が「上座」と「下座」のルールでしょうか。
上座・下座は、ビジネスシーンや日常生活においてもよく見られますが、「くだらない」「面倒」と感じる人も多いです。
が、その意義や背景を理解することで、「くだらない」と感じる理由やその対策について考えることができます。
上座下座はくだらないルールなのか?
上座と下座のルールについては、現代社会において「くだらない」と感じる人が多いです。
特に、若い世代にとっては、これらのルールが形式的で無意味に思えることが少なくありません。
しかし、一方でこれらのルールは、日本の伝統や文化、礼儀作法に深く根付いており、相手への敬意や配慮を示すための重要な手段でもあります。
単なる形式主義に見えるかもしれませんが、その背後には深い意味と歴史があります。
上座と下座とは
上座(かみざ)とは、最も敬意を表すべき人物が座る位置を指し、下座(しもざ)はその反対です。
これらの座席位置は、古くからの日本の文化や風習に根付いており、特に武家社会や茶道、華道といった伝統芸能において顕著に見られます。
上座と下座の具体例
上座と下座の具体例をいくつか挙げてみましょう。
- 会議室
- 上座:部屋の奥側、窓側、入り口から遠い位置
- 下座:入り口に近い位置
- 理由:入り口に近い位置は出入りが頻繁であるため、上位者をそのような煩わしい位置に座らせないためです。
- 宴会や食事の席
- 上座:床の間に近い位置、または景色が良い場所
- 下座:出口やトイレに近い位置
- 理由:上位者に最高の景色や雰囲気を提供し、快適な時間を過ごしてもらうためです。
- 車内(タクシーや社用車)
- 上座:助手席の後ろの席
- 下座:運転手の隣の助手席
- 理由:後部座席は最も快適で安全な位置とされており、特に助手席の後ろは車の揺れが少ないためです。
- エレベーター
- 上座:操作パネルから遠い位置
- 下座:操作パネルの前
- 理由:操作パネルの近くはボタンを押す役割が生じるため、地位の低い者がその役割を担うことが一般的です。
上座と下座の歴史と背景
上座と下座の概念は、武家社会にその起源を持つと言われています。
戦国時代、武士たちは地位や権力の象徴として座る位置にも厳格なルールを設けました。
これは、主君や上司に対する忠誠心や敬意を示すためのものであり、戦場における秩序を維持するためでもありました。
また、茶道や華道といった伝統芸能の中でも、上座と下座の概念は非常に重要です。
茶室では、床の間に最も近い席が上座とされ、その位置に座ることは最高の敬意を示すとされています。
華道でも、花を生ける際の位置や順序には厳格なルールがあり、それに従うことが礼儀とされています。
現代社会における上座と下座
現代のビジネスシーンでも、上座と下座の概念は依然として重要視されています。
特に日本企業においては、
- 会議の席次
- 食事の席順
- さらには移動の際の車内の座席
など、細かい部分に至るまで上座と下座のルールが適用されます。
これは、日本のビジネス文化において礼儀や敬意が非常に重視されているためです。
上座と下座の実践例
例えば、重要な取引先との会議では、相手方を上座に座らせることで敬意を示します。
また、新入社員研修などでも、上座と下座のルールは細かく指導されることが多いです。
これにより、新入社員は職場の秩序や敬意の払い方を学び、ビジネスマナーを身につけることができます。
上座と下座に対する批判と現代的視点
一方で、上座と下座のルールに対して批判的な意見も少なくありません。
特に、若い世代や外国人にとっては、これらのルールは「くだらない」と感じられることが多いです。
くだらないと感じる理由
- 形式主義
- 上座と下座のルールは非常に形式的であり、実質的な意味を持たないと感じる人が多いです。特に、ビジネスの成果や能力が重視される現代社会において、形式的なルールは無意味に感じられることがあります。
- 時間の浪費
- 上座と下座のルールを厳格に守るために、席次を決めるのに時間がかかることがあります。このような無駄な時間の使い方は、効率を重視する現代のビジネス環境においては批判の対象となります。
- 文化の押し付け
- 特に外国人にとって、上座と下座のルールは理解しがたく、時には文化の押し付けと感じられることがあります。グローバル化が進む現代において、多様な文化を尊重することが求められるため、一部の日本企業ではこれらのルールを緩和する動きも見られます。
くだらない上座・下座を押し付ける会社ではどうすればいいのか?
では、上座・下座など、面倒な慣習を押し付けてくる会社はどうすればいいのでしょうか。
個人的には、以下3つの対策があると思います。
順番にみていきましょう。
①ビジネスマナーが学べると前向きに捉える
まず1つが、「ビジネスマナーが学べる機会」と前向きに捉えてみる、です。
面倒でも、上座・下座について知ってるか知ってないか、これはビジネスパーソンとして結構差が出ます。
営業の商談もそうですが、転職の面接のときも
どこ座ればいいかな。
と、悩む必要がなくなりますからね。
なので、上座・下座とうるさい会社でも、ビジネスパーソンとしての引き出しが増える会社と前向きに考えることはできます。
②ケースバイケースで自分なりの気遣いをもつ
続いて、慣習・習わしより、自分なりの気遣いを意識する、です。
慣習の根付いた会社では、少し勇気のいることですが、形式的な習慣より今大事なことをする、という意識で仕事に臨もう、と。
実際、敬語は大事ですが、クソ丁寧な受付嬢ってなんか嫌だったりするじゃないですか?
上座・下座など、古くからの慣習は大事ですが、ケースバイケースで取り入れる感覚を意識してみるのはいいでしょう。
③環境を変える準備をする
3つ目が「環境を変える準備をする」です。
その会社の慣習が嫌だから環境を変える、というのは至極真っ当な道でしょう。
郷に入っては郷に従え
という言葉にあるように、ルールはルールですから。
実際、
私も転職したのでわかりますが、本当に色んな会社があります。
お堅いとこもあれば、ポロシャツサンダルで働いてるラフな会社もある、という感じ。
今の会社がイマイチというなら、自分にとって理想の環境をまず言語化して、その条件に合う会社を探すのがいいでしょう。
さいごに
上座と下座のルールは、日本の伝統や文化に深く根付いた重要な要素です。
しかし、現代社会においてはその形式主義が「くだらない」と感じられることも多く、批判の対象となることも少なくありません。
とはいえ、これらのルールは単なる形式ではなく、相手への敬意や礼儀を示すための大切な要素でもあります。
現代においては、上座と下座のルールを柔軟に適用し、効率と礼儀のバランスを取ることが求められます。
というコトで、今回はここまで。
ご覧いただき、ありがとうございました!